不動産のローン返済が難しくなったとき、その打開策として検討すべきなのが任意売却です。
しかし、任意売却ができないというケースもあることをご存じですか?
そこで今回は、任意売却ができないケースとはどのような場合をいうのかについて、そしてローンの返済が滞ったまま任意売却ができないでいるとどうなるのかについてご紹介していきます。
不動産のローンが払えない!それでも任意売却できないケースとは
任意売却ができないケースはいくつかあります。
まず、ローンの借り入れ先である銀行などの債権者から任意売却の許可が得られないケース。
不動産を売却した金額でローンの残債を返し切れない「オーバーローン」の状態になっていると、債権者から任意売却の承認を得るのはより難しくなります。
また、共同名義人や連帯保証人がいるのであれば、任意売却前に全員の同意が必要です。
さらに、何らかの事情で売却する不動産の情報公開ができなかったり、内覧が実施できない場合も任意売却をすることはできません。
また、任意売却ができるのは不動産の所有者本人に限られています。
そのため、所有者が認知症になっていて売却の意志を示せなければ成年後見制度を利用して代理人を立てる必要がありますし、病床に臥せっていて契約の場に足を運べないのであれば司法書士による本人確認が必要になるでしょう。
注意したいのは、ローンを滞納しはじめてから時間が経過しているケースです。
滞納を続けたままになっていると不動産が差し押さえられて競売にかけられてしまいます。
少なくとも差し押さえが執行される前に任意売却の準備を整えておかなければ、任意売却は不可能だと考えておきましょう。
不動産を任意売却できない場合はどうなるの?
任意売却ができなければどうなるのかというと、前項でも触れたように、不動産の差し押さえが強制執行されて競売にかけられてしまいます。
落札されると当然その家を出なくてはならなくなりますし、引っ越し費用も負担しなくてはなりません。
また、競売では内覧のような売却活動をおこなう必要はありませんが、通常の売却方法よりも2割から3割ほど安い価格で売却されるのが一般的です。
そのため、売却したあともローンの残債を完済できないケースが多くなります。
自力での完済が難しい場合には、自己破産の手続きが避けられないでしょう。