農地を売却したいと思っても、農地は宅地よりもはるかに売却しづらいといわれています。
今回は「なぜ農地売却がそれほど困難なのか」という理由をまず解説したうえで、困難な農地売却を何とか実現させるための方法や、農地売却にかかる費用の内容などもご説明していきます。
農地が宅地よりはるかに売却しづらい理由とはいったい何？
農地は宅地よりもはるかに売却しづらい、そういわれる理由は「農地法による売却制限がかかっているから」です。
簡単にいうと「農地は農家や農業生産法人などにしか売ってはいけません」という趣旨の制限が、農地にはかかっているのです
日本は食料自給率が低いため優良な農地を優先的に確保しなければいけない、という考え方からこうした制限ができたわけですが、これが農地売却の大きなハードルとなっているのです。
農地はどんな方法を使えば売却できる可能性が出てくるのか？
農地法による売却制限がかかっている農地は、そのままでは農家や農業生産法人など、ごく限られた範囲内での買い手を見つけなければ、売却はできません。
ただし「農地の転用（地目変更）」という方法を使えば、農家や農業生産法人以外にも売却できるようになるので、売却成功の可能性はぐっと高まります。
農地転用をするためには、立地基準や一般基準といった転用のための基準を満たし、農業委員会から転用の許可を得る必要があります。
転用を先にやってから買い手を探すのではなく、転用予定の農地の購入希望者を見つけて売買契約を締結してから転用許可申請をして仮登記、そして許可が下りたら本登記と代金清算、という流れで進める形となりますよ。
農地売却の際には各種税金などの費用がかかってくる！
農地売却の際、土地は消費税非課税なので消費税はかかりませんが、それ以外の各種税金（印紙税、登録免許税、譲渡所得税、復興特別所得税）や仲介手数料がかかってきます。
さらに農地転用をしての売却だと、農地転用の行政書士費用や登記費用も別途必要となり、農地の境界が明確でない場合は測量費も必要です。
このように農地売却にはさまざまな費用がかかってしまいますが、最後に、ちょっとお得な情報をお伝えしておきましょう。
農地を集積バンク、または農業委員会の斡旋などにより売却した場合は、土地の譲渡所得を最大800万円控除できる特別控除の適用が受けられる可能性がありますので、ぜひ覚えておいてください。
まとめ
今回は農地の売却について、売却困難な理由や売却方法などを解説しました。
農地はそのままの状態ではどうしても売却が不利・困難になりがちですが、転用できそうな農地であれば売却実現の可能性は高まりますよ。
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