「不動産を相続したら抵当権ではなく、根抵当権がついていた」ということがあります。
根抵当権と抵当権は本質が異なるものであり、売却時の難易度も変わるため注意が必要です。
そこで今回は、不動産売却前に知っておきたい根抵当権の特徴、根抵当権つき不動産の売却の流れおよび売却時の注意点について解説します。
不動産売却前に確認！根抵当権の特徴とは？
住宅ローンを借り入れると購入した不動産に抵当権が設定されます。
もしも返済できなくなったときに、債権者である金融機関が不動産を売却して返済資金にあてるためのもので、住宅ローンの完済とともに抹消されます。
一方の根抵当権は不動産を担保にお金を借り入れるという点では抵当権と同じです。
ただし、根抵当権の場合は「極度額」を設定し、極度額の範囲内であれば繰り返し借り入れ可能な点が抵当権とは異なります。
抵当権の場合、同じ不動産を担保に借り入れをおこなう場合、その都度抵当権の設定登記が必要です。
根抵当権の場合、極度内であれば何度でも借り入れができるので、登記にかかる手間と費用が不要になるのが大きな特徴です。
そのほか、抵当権のついた不動産が第三者に渡った場合は抵当権も移動しますが、根抵当権には随伴性がないため動かないなどの特徴もあります。
根抵当権が設定された不動産は抵当権とは違い、ローンを完済しても抹消されず、抹消するために金融機関の交渉など手間と時間をかけて抹消する必要があります。
そのため、基本的に根抵当権のついた不動産は売却が難しいとされているのです。
根抵当権のついた不動産売却の流れ
根抵当権が設定された不動産を売却するために、まず残債務と不動産の査定価格を確認します。
そのうえで売却益により完済できるのか、できない場合は任意売却にするのかなどを検討します。
根抵当権は極度内で繰り返し借り入れができるため、金融機関にとっては利息による利益が上げやすく抹消にはなかなか応じてもらえない可能性があり、根気強い交渉が必要です。
完済の目処がたったら極度内での借り入れと返済を終了させ、元本確定をおこないます。
元本確定後は極度内での借り入れができなくなり、抵当権と同じ扱いになり抹消が可能になります。
この後は通常の不動産売却と同じ流れです。
不動産売却前に確認！根抵当権つき不動産を売却する際の注意点
根抵当権は、設定されたときの状況によっては所有者と債務者が異なることがあり、その場合はいつの間にか借入額が増えていたなどのトラブルに発展する可能性があります。
また、一度元本を確定してしまうと元には戻せないので、根抵当権を元に借り入れの必要が出たとしても利用できない点にも注意が必要です。
根抵当権の抹消は、売却する不動産を担保に借り入れをする予定がない状態でおこないましょう。
まとめ
根抵当権は極度内で繰り返し借り入れができるため、事業をおこなっている場合には便利な仕組みである一方、抹消手続きが難しいことが懸念点です。
根抵当権つきの不動産を売却する際は、金融機関と根気強く交渉しましょう。
根抵当権つきの不動産のことでその他疑問点がございましたら、気兼ねなく弊社までご相談ください。
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